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実はアザール移籍金は1億6000万ユーロ。HLNがリークの根拠とは?マドリーは否定も。

2019年夏にクラブ史上最高額で加入したエデン・アザール

加入初年度となる2019-20シーズンにはとても金額に見合うとは言えないパフォーマンスで、マドリディスタからも厳しい声が上がっている。

そんな中ファンからの批判を更に増幅させかねない情報がリークされた。アザールの移籍金だ。

移籍当初「Marca」などの報道によれば、「移籍金1億ユーロ+出来高ボーナス」と伝えられていた。またリーガ優勝を決めた7月、「AS」ではタイトル獲得により1億ユーロからボーナス加算で1億1000万ユーロに上昇と報じられた。

昨季の低調ぶりを見るとこれでさえ高すぎる。

 

しかし9/4にベルギーメディア「HLN」がリークした情報によると、実際のアザールの移籍金は1億6000万ユーロ(約200億円)にものぼるという。

ユース時代所属クラブへの連帯貢献金から判明

今回の移籍金判明には、アザールがユース時代に所属していたベルギークラブ「AFCテュビズ」が関わっている。

FIFAでは「連帯貢献金制度(Solidarity Contribution)」というものが定められている。優秀な選手を育てたクラブに対して、その選手が移籍する際に発生した移籍金の一部を還元する制度である。

つまりアザールが育ったクラブに、チェルシーからレアル・マドリードへ移籍の際に発生した移籍金の一部が分配され、AFCテュビズもその対象クラブにあたる。

この制度では12歳から23歳の間に所属したクラブに対して、移籍金の5%が所属時の年齢と所属年数に応じて分配される。

所属時の年齢12~15歳:0.25%
所属時の年齢16~23歳:0.5%

アザールの場合12~13歳の2年間をAFCテュビズに在籍していたため、AFCテュビズは移籍金の「0.25%×2年間=0.5%」を受け取ることになる。

そして今回ベルギーメディア「HLN」が入手したAFCテュビズが受け取ることになる金額が3年分割払いで以下の通りだ。

AFCテュビズが受け取る連帯貢献金

2019年:20万ユーロ
2020年:28万ユーロ
2021年:32万ユーロ
合計 :80万ユーロ

これが移籍金の0.5%に当たるとすると逆算して算出されるのがマドリーへの移籍金。

逆算して算出されるマドリーへの移籍金

2019年:4000万ユーロ
2020年:5600万ユーロ
2021年:6400万ユーロ
合計 :1億6000万ユーロ

アザールの育った地元ベルギーのクラブ収支から、マドリーへの移籍金が割れてしまった形だ。

 

リーク内容は真実か否か。マドリーは否定も

リークした「HLN」はボーナス分とされている6000万ユーロの内訳については、「保証付きボーナス3000万ユーロ+成績に応じたボーナス3000万ユーロ」とのみ報じている。

アザールがバロンドールでも受賞しようものなら納得だが、シーズン1得点のみという寂しい個人記録でありリーガ、スーペルコパ獲得のみの成績でこのボーナスとはにわかには信じがたいところだ。

本当にそのような条件をのんでいたのならチェルシー側が上手だったとしか言いようがない。

 

また9/4に「Marca」が伝えたところによると、アザールの移籍金が1億6000万ユーロにのぼることについて、マドリー側は事実ではないと否定しているという。

しかしそれ以上に詳細に突っ込んだ反論は見せていない。

そしてこの記事を書いたMarca記者ホセ・フェリックス・ディアス氏は自身のTwitterで「マドリーは否定している。チェルシーからの返事を待とう。」と言うに留めている。

チェルシーがわざわざ本件に「正しい、正しくない」など口出ししてくるとは考えづらいが、HLNからの追加報道やさらなるマドリーの反論には注目したいところだ。

そして何よりも今季2年目となるアザールの噂の移籍金1億6000万ユーロに見合う活躍を願うばかりである。

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